出産編&後記

3/9 もうソロソロって思っているのにシュガーには何の変化もなし。
いったい・・・いつなのか?やきもきしながらあれこれしなくっちゃいけない。
3/9 あまりに遅いので心配になっていつも掛かっているK動物病院へ受診。
行く前にTELを入れておいたら、院長先生が見てくれる。
レントゲン、エコーを撮っていただく。
頭数は3頭、これは確実。エコーはあまりよくわからなかったが、心臓がドクンドクンと動いている。これ以上遅れるようだったら、帝王切開もやむを得ないとの事。
「明日、お昼の受診時間ギリギリまで待って産まれないようでしたら、お電話をしてから伺いますのでよろしくお願いします。」と言って帰宅する。
行きは自転車で行ったのだが、帰りは大回りして車の来ないところを通ってシュガーを歩かせる。帰り道で去年東町であった「マロちゃん」という10歳のウエスティちゃんにお会いする。飼い主さんが私を覚えていてくれた。ちょっと珍しい。(*^。^*)
またお会いしましょうって言いながらお別れする。
3/9 なんか・・・そわそわ、シュガーも落ち着かない。ハウスから出たりはいったり。
外の豹柄のベッドに入ったり、床にベタッ!ってやったり・・・
ハウスでも新聞紙ホリホリしていたり・・・
「うん???ソロソロ???」
3/10 AM 5:10
4時ごろまで起きていたけど・・・ちょっとでも横になっていようって寝込んでから・・・
なにかおかしい雰囲気に目が覚める。
床に引いたkazukiのぼろいベッドマットを異常にホリホリしていた。
もしかしてこれが陣痛なのか???よく見るとおしっこではないものが
ベッドマットについている?
これはもしかして破水って言う物かも・・・
私の出産の時は破水って全然わからなかった。
どこかのページで破水した時は大きな声で泣いたと言っていた。
せわしなくあちこち産み場所を探しているかのよう。トイレは何回もしている。
トイレに入り込み座ろうとしている。ココが産箱になってはまずいので・・・・
部屋に無理やり戻す。
獣医さんに「シュガーが気に入った場所で産ませてあげてください。産箱にこだわらなくても大丈夫。」と言われていたのだが、いかんせんトイレでは・・・まずいよね。
豹柄のベッドに入り込み、体を震わせるようになった。
背骨がグッグッグッって波を打っている。痛そうなので背中をさすってやる。
何回か戻しそうになったりしている。
うーん痛そう!私の時も痛かったし、辛かった!同じ思いをシュガーもしていると
思うと何故か涙が出そうになる。
3/10 AM 6:34 第1子誕生。息むのも私がシュガーに声を掛けながら・・・
なんか私まで「うーん」って言いながら赤い顔になっていたかも。
この時もシュガーは大きな声など一つも出さなかった。
「ふゅーん」っと小さな声が出ただけ。
Nさんにウンチをするような格好になると聞いていたのだが・・・
シュガーは横座りのまま。後足を横に投げ出してよく見ていないとわからないくらい。
白い羊膜に包まれた赤ちゃんが出てきた。シュガーは一生懸命舐めていたが
心配で手を出してしまう。無事羊膜は取れてへその緒を切るって言う時に
慣れないから(当たり前初めてだもん)噛み切れていない。何回か噛み切らそうと
シュガーの口に持っていったのだが無理だったので、私が糸を結んで切ってあげた。
30分くらいして胎盤が出てきたが、見えたのは一瞬、あっという間にシュガーが
処理してしまった。
何回も何回もシュガーは赤ちゃんを舐めまわしている。
3/10 AM 7:34 第1子から丁度1時間後、第2子誕生。豹柄のベッドは第1子の羊水でびちゃびちゃ。
でもそこから出ようとしないのでそのまま出産へ。
丁度学校へ行くために起き出してきていたnaotoがこの出産に立ち会ってくれた。
出てきている子を覗いてみたら・・・足から出てきている。正直に書きますが・・・
尻尾の先っぽが曲がっている。きっとお腹にいたときからこうなっていたのかも。
この先っぽが曲がっている事をつい口に出してしまう。
この口に出した事が後に・・・・
第2子も横座りのまま出産。とても不安定だと思うのだが・・・
この子の時はへその緒は私がシュガーの足をよけた途端にブチッ!と小さな音がして切れてしまった。
3/10 AM 10:00 Nさんが手伝いに来てくれる。
しかし・・・シュガーは第3子を産む気配がない。またしてもやきもき・・・
その間におっぱいを飲ませようとしていたら・・・
シュガーは興奮して何かが嫌だったのか・・・そばに置いた第2子を噛んでいる。
慌てて取り上げたのだが・・・第2子の鼻の上 額 左耳の上が傷になってしまった。
慌てて消毒液で消毒をしたが・・・額はかなり深かった。
なぜ・・・私の心がとてつもなく痛み始めた。なぜこんな事に・・・
原因はいろいろ有るだろうが・・・シュガーをこういう状態にしたのは全て私だし。
第2子を抱きながら「ごめんね、ごめんね」を繰り返していた。
しかし、強い子で傷が深いにも関わらず、この時はあまり泣く事もしなかった。
獣医さんへTEL。
第2子が傷を負ってしまった事、第3子がまだ出て来ないのでおっぱいはどうしたらよいか?
傷は細胞がドンドン生まれ変わっているので心配はないかもしれない。ただ実際を見ていないから詳しくはわからないが・・・
おっぱいは初乳を早く飲ませたほうがいいという事でなかなか飲ませようとしないシュガーを抱っこしながら、手伝ってもらって乳首を強制的に吸わせる事に。
3/10 AM 11:00 あまりに最後の子が産まれて来ないので心配になってまた獣医さんへTEL。
シュガーの出産で大変迷惑を掛けてしまったかもしれない。
もう少し自力で出るように頑張ってみましょう。とのこと。今から帝王切開は
かなりの負担になるとおっしゃっていただく。
手でお腹を触るとまだ上のほうにいるようだ。シュガーの肋骨の端っこから徐々に
下のほうへ何回もさする。
たぶん最後の方はかなり強く押していたかもしれない。しばらくお腹をさすっていたら
3/10 AM 11:34 かなり下の方に下がってきているな?と思って陰部のちょっと上を偶然触ったら、
いつもは柔らかいところが硬くなっている。
これは頭が丁度産道を通っていたところだったのです。5秒後くらいにするっっと出てきた。この時ももちろん座ったまま。
結局シュガーは3回とも横座りのまま産んでしまった。
なぜかウンチの格好にはならなかった。
第3子ともなると少し慣れて来たのか?(遅いよ、最後だよ!)ちゃんとへその緒を
シュガーが噛み切っていた。
2度目の後産、3度目の後産はいつの間にか無い状態だった。
あっという間に私の目に触れさせてはいけないとでも思ったのか・・・
綺麗に無くなっているようだった。食べちゃったのね。
どの子もシュガーはペロペロとても綺麗にしてくれました。
お疲れ様、シュガー、よく頑張ったね。

以上がシュガーの出産の模様です。出産に立ち会っている間写真のことなど頭に無く、画像が無い事をご了承ください。<m(__)m>
第2子を噛んだ事、その傷のせいで2日で小さな命を失ってしまった事は、すべて私の責任です。
ちゃんと見てあげられなかった。後悔の気持ちでいっぱいです。

これらを読んで、色んな意見があると思います。非難もされると思います。
私たち家族もこのシュガーの妊娠、出産を通じて、色んな事を考えさせられました。
希望や後悔、様々な考えを親子4人で話し合いもしました。
息子たちにとっては、命の重たさ、出産の神秘、命のはかなさ、それらを実体験できたのではないかと思います。
たぶん、この事が後に結婚して奥さんたちが妊娠出産と言う時に優しく接してくれる事へ繋がっていけると信じています。
そして人間を愛するように、犬やその他の動物を愛する気持ちに繋がってくれると思います。
今はとかく動物虐待などが話題にされる時代ですから・・・・

私たち夫婦も、飼い主の身勝手な行動だったのではないか?
シュガーの「ハァハァ」となっている様子を見てリスクが大きすぎたのではないか?
ただ・・シュガーや仔犬に負担を掛けてしまったのではないか?
そんな気持ちをあれこれ話し合い、まだこれから先へも考えていかなければならない深い問題だと思っております。
まだ出産直後で、シュガーの様子や仔犬の成長を見守る事が先決ですから。
きっともっと後になってからまた考えてみれば今とは違った考えになる事も・・・・

シュガーの後足に近いところの乳首が張れて張れて熱をも持っているようだったのをパパは見ていて辛そうに思ったのでしょう。
私が買い物に出られないので、ドラッグストアに行ってくれて人間の鼻吸い器と乳首を買ってきてくれました。
「これを改造して吸ってやれば少しは楽になるんじゃないか?」
こうして積極的にやってくれたのは、たぶん初めてでした。
最初、「オレは手を出さないから・・・」と言っていたので何も期待はしていなかったのですが・・・
彼なりにどうやってやればシュガーを楽にさせてやることが出来るかと考えていてくれたことに感謝したいと思います。

最後に短い間でしたがシュガーと私の元に産まれて来てくれた次男ライナーに
思いっきりの愛を込めて、ごめんね。そしてありがとう!
虹の橋で笑いながら過ごしてくれている事を心から祈ります。
合掌。
2003/3/15記